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暗号資産The Graph(GRT)とは?特徴や将来性は?

The Graph(グラフ)は、ブロックチェーン上に記録されたデータを検索する機能を提供するプラットフォームで、ブロックチェーン業界のGoogleとも呼ばれています。イーサリアムのブロックチェーンを利用したERC-20トークンで、ネイティブトークンはGRTトークンです。

The Graph(ザ・グラフ)の基本情報

通貨名称 The Graph(グラフ)
ティッカーシンボル GRT
発行開始 2020年12月
総発行枚数 10,057,044,431GRT
アルゴリズム Proof of Work(PoW)
公式サイト The Graph 公式サイトへ
ホワイトペーパーURL https://thegraph.com/docs/
ツイッター https://twitter.com/graphprotocol

 

The Graph(GRT/グラフ)は何を解決するのか?

イーサリアムのようなブロックチェーン上には、暗号資産の取引情報だけでなく様々なデータが保存されています。ブロックチェーンでは、誰でもデータを参照することができますが、非常に多くのデータが保存されているため、知りたい情報を探すことが困難な場合もあるでしょう。

ウォレットのアドレスがあれば、保有しているトークンの量やトランザクションの履歴などを簡単に探すことができます。しかし例えば特定のトークンを1000枚以上持っているアドレスの数とか、10番目に多くのトークンを保有しているアドレス、と言ったクエリ(=問い合わせ)だとどうでしょう。処理に膨大な時間がかかるかもしれません。

そこでThe Graphが提供するのはネットワーク上の数多くの情報の検索を容易にするための仕組みです。Dappsの開発者は、The Graphを利用することで、アプリに検索機能を追加し、アプリのユーザーは、簡単にアプリ内のブロックチェーンデータにアクセスし必要な情報をスピーディに検索できるようになります。

ブロックチェーンデータの検索システム「サブグラフ」を提供

The Graphはブロックチェーンのデータをインデックス化し、クエリ(問い合わせ)によってデータにアクセスしやすくするためのプロトコルを開発しています。

例えば、Googleがウェブをインデックスするのと同じように、The GraphはEthereumのようなネットワークのブロックチェーンデータをインデックスします。そして、このデータをサブグラフと呼ばれるオープンなAPIにグループ化し、誰でも簡単にクエリできるようにしています。

サブグラフは、インデックスを作成したいデータとどのように保存するかを定義するものであり、誰でも作成することができます。Dappsの開発者は、サブグラフを導入することで、アプリのユーザーが簡単にアプリ内のブロックチェーンデータにアクセスができるため、利便性が向上します。

*ある意味では、The GraphはGoogleのようなサービスをブロックチェーンにもたらすプロジェクトであると考えることができますが、検索ブラウザではないのでご注意ください。

GRTトークンとは

The GraphネットワークではGRTトークンというネイティブトークンが利用されています。

GRTトークンの目的は、ネットワークのセキュリティ強化とガバナンス、そしてネットワークの貢献者へインセンティブを与えることです。The Graphは4つの役割によるエコシステムを構築しており、The Graphに貢献したい人は自分のスキルに応じてネットワークに参加できます。

4つの役割は次の通りです。

  • Developer:開発者。サブグラフの作成dAppへのサブグラフの導入
  • Indexer:技術者。インデックスの作成などを行なって報酬を得る(ノード)
  • Curator:技術者。サブグラフにトークン(GRT)をステーキングする。
  • Delegator:非技術者。トークン(GRT)をIndexerに委任して報酬の一部を得る(*デリゲーターに委任してステーキングサービスを利用するにはMetaMaskt等のウォレットが必要です。)

このように、それぞれの仕事を適切に行うことでGRTトークンを獲得できるというインセンティブが用意され、参加者全員がネットワークにとって良い行動をとってくれるようコントロールしています。

GRTトークンはイーサリアムのERC-20に準拠しています。そのため、MetaMask等イーサリアム系のウォレットで管理することが可能です。初期総供給量は100億GRTでしたが、インデックス作成の報酬として年間3%が新規発行されています。一方で、クエリ料の1%以下やデポジット税、Slashingで没収されたトークンがバーン(焼却)される仕組みも用意されています。したがって、供給量は100億GRT + 新規発行量 – バーン量で計算されます。

The Graphの今後

The Graphは、Coinbase Ventures・DCG・Compoundなど、ブロックチェーン界の有力者から出資を受けており、またこのグラフの開発チームにイーサリアム財団、OpenZeppelin, Decentraland, Orchild, Salesfoceなど様々な暗号通貨等を開発した人たちが関わっています。The Graph財団によるGRTの公開セールには、99か国が参加し成功を収めました。2020年11月時点で2,500万米ドルを調達しています。

サービス開始当初から支持を集めたThe Graph(GRT)ですが、すでに多くのプロジェクトにサービス提供しおり、検索システムとしてのポジションを確立しています。The GraphのプロジェクトはWeb3.0のインフラ的存在であるため、価値がなくなる可能性は低く、むしろDappsの開発が増えれば増えるほどサブグラフの需要は多くなりそうです。

The Graphを導入している主なプロジェクトは以下の通りです。

  • ユニスワップ(Uniswap/UNI)
  • ディセントラランド(Decentraland/MANA)
  • アーベ(AAVE/Aave)
  • アラゴン(Aragon/ANT)
  • シンセティクス(Synthetix/SNX)
  • バランサー(Balancer/BAL)
  • グノーシス(Gnosis)
  • ライブピア(Livepeer)
  • ダオスタック(DAOstack/GEN)
  • USDC(ステーブルコイン)

The Graphは著名投資家からも注目されている将来性の高いプロジェクトです。今後もThe Graphを利用する暗号通貨は今後ますます増える予定で、GRTの価格にも良い影響を与える可能性があります。特にDefiでは、プロジェクトが抱える使いにくさを解決できるできるために支持を集めており、Defi需要が盛り上がればThe Graphのニーズが増え価格が上昇すると考えられます。

The Graph(GRT)の買い方

2022年10月現在、国内取引所での取り扱いはありません。The Graphの購入には、BINANCE、COINBASE、Kraken等の海外取引所を利用する必要があります。

まずは国内取引所でビットコイン等の仮想通貨を購入し、海外取引所に送金してThe Graphを購入するという手順になります。

MetaMaskを使ってステーキングをする方法

1.MetaMaskにGRTを送金し、残高があることを確認しましょう。

2.Graph explorer を開きます。

3.右上の“Connect wallet” をクリックし、 “Metamask”を選び、ウォレットをConnectします。

4.デリゲート(委任)したいインデクサーを一番右側にあるボタンを押して委任します。

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5.Submit Transactionを押します。

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6.Transactionが完了した後は、自分のアドレスをクリックすると下図のように委任情報を見ることができるようになります。

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7.これで委任は完了です。TransactionにはGas Fee(手数料)がかかりますのでご注意ください。Gas Feeはネットワークの込み具合によって価格が変化します。