仮想通貨コラム

イーサリアム2.0 ステーキング ー国内取引所編ー

イーサリアム運用を国内取引所で手軽に

2023年4月13日、イーサリアムのアップグレード「上海」が完了し、ETHステーキングのロックアップが解除され、預けたETHが引き出し可能となりました。それに伴い、イーサリアムのステーキングサービスを提供する国内取引所がでてきました。

イーサリアムのステーキングはメタマスクなど自分で秘密鍵を管理できるウォレットから「Lido」などのDeFi(分散型金融)を利用することでも可能です。しかし、ステーキングをもっと手軽に簡単に始めたい方には国内取引所の利用も一つの選択肢です。

もちろん取引所に預けるということは、自分で秘密鍵を管理できないということですから、もし取引所が破綻したり、ハッキングを受けたりした場合、預け入れていた資産が返却されないリスクはあります。しかし、国内取引所は海外取引所と比較すると圧倒的に高い安全性を誇っています。金融庁が認可した日本国内の取引所であれば、万が一流出があっても補填できるような体制をとっており、取引所の破綻によって資産が返却されないなどのリスクは極めて低いと言われています。

通常、イーサリアムのステーキングに参加するには、最低32ETHが必要ですが、32ETHを用意するのは一般ユーザーにとって簡単ではありません。しかし、ステーキングプールや取引所が提供するステーキングサービスを利用すれば、個人も簡単にステーキングに参加できます。

ETHのステーキング・レンディングができる日本の取引所

2023年7月31日時点でイーサリアム(ETH)のステーキング・レンディングに対応している日本国内の取引所を紹介します。

ステーキング 年利% レンディング 年利%
bitbank なし
  • 1年 1.0%(0.1 ETH 以上 30 ETH未満)
  • 1年 2.0%(30 ETH 以上 375 ETH以下)
⋆2023年8月1日~8月31日募集
BITPOINT 2.0〜5.0%(見込み)好きな時に売却や出金ができる。 5.0%(30日間) ⋆2023年5月募集時・2023年8月募集無し
Coincheck なし
  • 14日間 1.0%
  • 30日間 2.0%
  • 90日間 3.0%
  • 180日間 4.0%
  • 365日間 5.0%
GMOコイン なし ベーシック:3.0%(3か月間) ⋆期間限定でプレミアム(短期・高金利)が提供されることがある
SBI VCトレード 2.5%(見込み、手数料徴収後)好きな時に売却や出金ができる。 3.0%(28日間)
Binance Japan(2023年8月よりサービス開始) サービスあり? ⋆おそらく何らかのサービスが開始されると思われる。

 

取引所の運用サービスにはステーキングとレンディングがある

国内取引所でのイーサリアムの運用には、ステーキングサービスと貸暗号資産(レンディング)サービスがあります。

ステーキングとは?

ステーキングが可能なのはPoSというコンセンサスアルゴリズムを用いている仮想通貨です。イーサリアムもこれに当たります。ステーキングでは、ブロックチェーンに仮想通貨を預け入れて、取引承認システムに貢献(=新たなトランザクションの検証・ブロック生成に参加する)してネットワークから報酬を得ます。

良い点

国内でステーキングサービスのあるBitPointとSBI VCトレードでは、ステーキング報酬の受取設定をONにしておけば、預け入れるだけで特別な手続きは必要なく自動的に参加となります。数量制限はないので必ず参加でき、ステーキング中の売却・出金も自由となりますので、気軽に利用できます。

【参考リンク】BitPointステーキング説明 公式ホームページへ

考慮する点

利回りはネットワークからの報酬次第のため変化することが多く、期待した利回りが得られないこともあります。ステーキング参加者が増加すると利回り収入を受け取る人が多くなるため、その分1人あたりに配られる利回りは低下します。

貸暗号資産(レンディング)とは?

貸暗号資産(レンディング)は、仮想通貨を仮想通貨取引所に貸し付ける形が一般的です。「貸コイン」などと呼ばれることもあります。貸し出した仮想通貨に対して定期的に利息が支払われる仕組みになっており、貸出利率を事前に選択することがほとんどです。基本的に利息は日本円ではなく、ユーザーが貸し出したのと同じ仮想通貨で支払われます。

良い点

予め決まった年率で利回りが得られる。

考慮する点1:多くのレンディングサービスでは、途中解約をして引き出すことができない

貸し付けている間に貸し付けている仮想通貨の価格が市場で大きく変動しても、利益や損失を確定させることができません。、売却予定のない仮想通貨を増やすチャンスでもありますが、貸し付ける数量、期間をよく考えて選ぶ必要があります。

考慮する点2:希望するタイミングで貸し付けできるとは限らない

常に貸し付けの募集があるとは限らず、また、募集があっても仮想通貨取引所の設定する借り入れの上限に達した場合は、レンディングのサービスを利用できないことがあり、預け入れた資産に利回りが付かない期間がでる場合がありますので、送金前に確認が必要です。

イーサリアム以外で国内でステーキングが可能なコイン

GMO コイン テゾス(XTZ)、クアンタム(QTUM)、ポルカドット(DOT)、コスモス(ATOM)、シンボル(XYM)、カルダノ(ADA)、アスター(ASTR)
BITPOINT イーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)
SBI VCトレード イーサリアム(ETH)、ポルカドット(DOT)、カルダノ(ADA)、テゾス(XTZ)、ソラナ(SOL)、アバランチ(AVAX)、オアシス(OAS)、エックスディーシー(XDC)、コスモス(ATOM)

 

まとめ

ステーキングやレンディングは比較的低リスクで暗号資産を増やす方法です。今回はイーサリアムに限定して国内取引所のサービスをご紹介しました。

レンディングは比較的多くの国内取引所でいろいろな銘柄でサービスがありますので、保有コインでレンディングできるかどうか調べてみると良いと思います。ステーキングに関しては、現在、日本国内でステーキングを実施しているのはとBitpointとSBI VCトレード、GMOコインと限られていますが、イーサリアム以外にも取り扱いのあるコインがあります。

ステーキングは見込める利益額はそこまで大きくないものの、低リスクで報酬を受け取れる制度です。長期予定のコインで売却予定がなければ、不労所得を狙って運用してみてもよいでしょう。