イーサリアム2.0でステーキングも可能に
イーサリアム2.0(The Merge)で、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムがProof of Work(PoW)からProof of Stake(PoS)へ変更されました。このアップデートで、安全性・スピード両方の面で向上し、ステーキングもできるようになりました。現在利回りは4%前後となっています。
イーサリアムステーキングには32ETH必要
現在イーサリアムへのステーキングは、ノードを運用するのに加えて、最低32ETHを預け入れロックすることが条件です。ハードルが高いので、一般的にはステーキングプールに参加します。
Staking Poolを使えば32ETHなくてもステーキングが可能
普通の個人が32ETHも用意するのは大変で、だれもが気軽にステーキングを行うことはできません。そこでStaking Poolという、皆で少量ずつ持ち寄って合計32ETH以上にして運用するサービスが一般に利用されています。(ただし、メタマスクは連携しているだけでステーキング機能を提供しているわけではありません。)
ステーキングプール「Lido」と「Rocket Pool」
ステーキングプールは、少量のETHでステーキング報酬を得られるサービスで、現在、StakeWise、Rocket Pool、Lido、stakefish、StaFi、Ankr Staking、StaFiの7サービスがあります。このうちMetaMaskでは最もメジャーな2つである「Lido」と「Rocket Pool」を利用できます。
【参考リンク】イーサリアム公式サイト
MetaMaskがETHのリキッドステーキングの「Lido」と「Rocket Pool」に対応開始!
MetaMaskが、2023年1月13日よりステーキングに対応しました。メタマスクが提供するステーキング機能は、リキッドステーキングの仕組みを用いており、リキッドステーキングプロトコルの「Lido」と「Rocket Pool」に対応しています。
Lido Financeとは?ーstETHがもらえるー
Lido Finance(リド・ファイナンス)は、ETHの代表的なリキッドステーキングプロトコルでイーサリアム2.0へのステーキングを手軽に行うことができるDeFiサービスです。
Lido Financeではイーサリアムのステーキングと引き換えに「stETH」と呼ばれるトークンを発行しています。ユーザーは付与された「stETH」をDeFiで運用し、利回りを得ることが可能です。「stETH」はいつでもETHに交換できます。
Lido Financeは現在、リキッドステーキングの総預かり資産額(TVL)が800万ETH(140億ドル超・2兆円超)でDeFiプロトコルの中でトップであり、成長を続けています。独自トークンLDOも発行しています。
Rocket Poolとは?ーrETHがもらえるー
Rocket Pool(ロケットプール)もまた、ユーザーがETHをステークしてステーク報酬を得ることができるDeFiのステーキングプールです。
Lidoの後発サービスとして注目されているステーキングサービスで、Rocket Poolの特徴は、16 ETH+RPL(16ETH相当)のデポジットで誰でもバリデーターを運営できることです。0.01ETHからという少額からのステーキングが可能で、「rETH」と呼ばれるトークンを受け取ることができます。独自トークンとしてRPLを発行しています。
メタマスクからのステーキング手順
直接メタマスクから利用できますので、資金移動したり、外部サイトに接続したりする必要がなく、安全に、簡単にステーキングが開始できます。金額は0.01ETHと少額から始められます。
手順1:メタマスクにアクセスしポートフォリオ(グラフのアイコン)をクリックします。

手順2:画面が表示されたら、「Connect MetaMask」をクリックしウォレットを接続します。



手順3:ポートフォリオサイトの左側にある「Stake」をクリックし、LidoかRocket Pool のどちらかを選び「Stake」をクリックします。

手順4:ステーキングするETHの数量を指定し「Review」をクリックしてください。

手順5:ステーキング量の確認画面が表示されたら、「Confirm」をクリックします。

手順6:メタマスクが自動で起動するので、必要なガス代をチェックした後、「確認」をクリックしてください。

手順7:以下の画面が表示されたら、ステーキング作業は完了です。


stETHやrETHの活用方法
メタマスクでETHをステーキングすると、「stETH」または「rETH」を獲得できます。stETHやrETHはDeFi関連サービスに預けるができ、主要なDeFi関連サービスにはCurve Financeや1 inch Liquidity Protocol、AAVEなどがあります。
例えば、Curve Financeでは、ETHと一緒にstETHを預け入れることでステーキング報酬を獲得可能。利回りは2%強となっています。
注意点とリスク
ステーキングにはリスクがある
ステーキングは報酬を得られる一方で、リスクもあります。LidoとRocket Poolはスマートコントラクトで作られていますが、スマートコントラクトのバグを攻撃するハッキング事件が多発しています。
DeFiステーキングサービスを介してのステーキングはその利用サービスに欠陥や問題があった場合などには預けたイーサリアムが戻ってこない可能性があります。それらを信頼してステーキングしていることを忘れないようにしましょう。
メタマスクを提供しているConsensys公式サイトにも下図のような注意書きがあります。

メタマスクのハッキングに注意
メタマスクはネット上に仮想通貨を保管する「ホットウォレット」です。パスワードなどを盗まれてしまうと簡単に仮想通貨を盗まれてしまいます。メタマスクによる仮想通貨流出の被害は多く報告されているため、利用する際はパスワードの管理には十分注意しましょう。
リキッドステーキングトークン価格の乖離
リキッドステーキングトークンは、本来ETHと1:1の価値を保つトークンでリキッドステーキングトークン価格とETH価格は同一になるはずですが、乖離することがあります。例えば、LidoのstETHは大手仮想通貨レンディングCelsius Networkの経営破綻が噂となった2022年6月から7月にかけて、早期売却の動きが強まって価値が下落し、乖離が起きました。預けたETHを各トークンに変換する際にトークン変換時に価格の乖離が起きている場合、預けた資産が目減りしてしまう「元本割れ」のリスクがあるという点には注意が必要です。